当部会について部会長挨拶

部会の持続的な発展に向けて

2025-2026年度部会長飯村 兼一(宇都宮大学)

飯村 兼一

本年3月より部会長を拝命いたしました。副部会長の懸橋理枝先生(大阪産業技術研究所)や石田尚之先生(同志社大学)、坂井隆也様(花王株式会社)、事務局長の安部裕様(ライオン株式会社)、役員や委員、部会員の皆様と協力して、部会の運営と発展のために尽力してゆきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

本部会は、皆様のおかげで、非常に活発な活動を継続しています。紹介も兼ねてそれらをまとめてみますと、まず当部会の最大の事業である「コロイドおよび界面化学討論会」は、現在の部分的ハイブリッドの方式になってからのここ2年間を見ると、発表件数は約410、430件、参加者数は約620、700人と、盛況な会議となっております。色々な場面で反映されつつあります。

また、若手研究者・学生の育成と研究活動の活性化を目指した「未来のコロイドおよび界面化学を創る若手討論会」や、学生が企業・大学の研究者との交流を通じてキャリアを考える機会を提供しようとする「キャリ探セッション」も、それぞれ50~60人程度、50~80人程度の規模で開催されています。

また、目的や参加者対象が異なる多くのセミナーが、それぞれの性格や実施方法によって参加者数は30~90人程度まで様々なのですが、定期的に開催されています。若手社員や新たにこの分野の知識を必要とされている方々のための集中講義という位置づけである「界面コロイドラーニング」はできる限りの参加機会をご提供すべく東京会場と大阪会場で開催されています。

また、毎回魅力的なテーマを掲げ、関連する内容を深く学ぶ「コロイド界面技術シンポジウム」や「コロイド先端技術講座」、「コロイド・界面技術者フォーラム」もあります。

さらには、関西支部による「関西界面科学セミナー」や「関西コロイド・界面実践講座」、九州支部による「九州コロイドコロキウム」、コロイド分散凝集分科会による「分散凝集科学技術講座」など、支部や分科会が主導する様々な事業も活発に行われています。

これらの事業の多くがオンライン参加あるいはオンデマンド視聴も可能な方法(完全オンラインも含む)で実施されており、参加者の希望に対応する工夫がなされております。セミナー等の事業以外にも、部会ホームページやニュースレターC&I Communicationでは様々な情報発信が着実に行われており、特に後者は2023年1号からJ-STAGEに掲載され容易にアクセスできるようになっています。

また、現副部会長の懸橋先生が初代委員長を務められたDEIR(Diversity, Equity, Inclusion and Respect)委員会が2023年度に発足し、部会内での体制や意識の改革が進められておりますが、それによる変化が部会運営の色々な場面で反映されつつあります。

さて、これから、に目を向けると、以上のような活動を持続的に続けることがまずは重要であり、そのための体制作りが執行部の役割であると認識しています。

上記のアクティビティーの高さは本部会の特徴ですが、それらが、部会員の交流や相互理解を促進し、日用品の化学から最先端の科学までを網羅するコロイド界面化学の発展を牽引し、ひいては健康で豊かな社会生活や科学技術の発展につながることは言うまでもありません。

また、本部会は元来、企業との結びつきが強く、様々な企業の研究者も役員や委員としてご活躍頂き、討論会やセミナーでもご発表とご参加を頂いております。学際的な学問であるコロイド界面化学の発展のため、および少子化や人材不足が叫ばれる中、将来当分野で活躍する人材の育成のために、企業と教育・研究機関との継続的な協力は今後益々重要になってくるものと思います。この点に関しては、坂井副部会長のお力添えを頂きながら、維持や強化を進めていきたいと思います。

一方、部会をとりまく諸変化に対応した部会運営については、議論を進め、必要に応じて効率化や改善のための対策を実施してゆく必要があると考えています。特に昨今の経済状況の急激な変化は、複合的に部会運営に影響しつつあり、それらに対応した運営を検討する時期にあると感じています。

本部会は、2026年に設立50周年を迎えます。これを記念して、2026年11月には、副部会長の石田先生を実行委員長として、沖縄県名護市の万国津梁館にて国際会議「Okinawa Colloids 2026」を開催します。

また、今年の9月に千葉大学で開催される第76回コロイドおよび界面化学討論会でも、50周年関連の小規模なイベントが計画されております。また、部会ニュースレター C&I Communicationには創刊50周年特集記事を掲載する企画が進められています。一方、部会ホームページの「コロイド偉人館」(「ギャラリー」からアクセスすることができます)の改訂に向けた準備も進められています。

部会ホームページの「当部会について」から到達できる「歴史」のページを見ると、本部会はその創成期から、非常に精力的に活動が続けられてきたことがわかります。その当時の先生方が作り上げてくださった土台の上に、その後の先生方がさらに石を積み上げて今の部会があり、現在の日本のコロイド界面化学があることをあらためて感じさせてくれます。この先さらに50年後に、未来の部会員からもそう思って頂けるように、皆様からのご意見とご協力を得て、部会の持続的な発展に努めてゆきたいと思います。

Colloid & Interface Communications, 2025年50巻2号 p.1-2「巻頭言」より

2023-2024年度酒井 秀樹

ポストコロナ時代の部会の発展に向けて

2023-2024年度部会長酒井 秀樹(東京理科大学)

酒井 秀樹

2023年3月よりコロイドおよび界面化学部会の部会長を拝命致しました。前任の出口茂先生により刷新、活性化されてきた部会の新しい枠組み、潮流を停滞させることなく運営を行なっていけるかどうか不安の方が大きい状態です。しかし、幸いにも副部会長として、経験豊かな坂貞徳先生(留任)、飯村兼一先生(前討論会委員長)、懸橋理枝先生(現DEIR委員会委員長)が就任され、またこれまで副部会長として活躍された安部 裕先生が事務局長として就任されましたので、連携を深めながら、また部会員の皆様のご意見・ご支援をいただきながら運営してきいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

本稿では、コロイドおよび界面化学部会について読者の皆様により知っていただければと思い、部会の活動ならびにそれを担当されている各委員会の紹介をさせていただくとともに、ポストコロナ時代の部会運営のあり方についても述べていきたいと思います。

新型コロナウィルス(Covid-19)の世界的な流行は、我々の生活様式・コミュニケーション方法・仕事の進め方などに大きな影響、そして変革をもたらしました。本部会においても、多くの行事・企画の運営に大きな影響を及ぼし、見直しが求められました。部会の最も重要な行事の1つである「コロイドおよび界面化学討論会」は、2020年(もともとは仙台での開催を予定)、2021年(広島での開催を予定)の両年においてオンラインでの開催を余儀なくされました。Covid-19の流行が始まって半年という状況でオンラインでの開催が可能となったことは驚くべきことであり、当時の討論会委員会(委員長:飯村先生)、現地実行委員会(委員長:蟹江澄志先生)の方々のご尽力に改めて敬意を表します。また、2022年の討論会は、広島大学においてヴィレヌーヴ真澄美実行委員長、飯村討論会委員長を中心とする先生方のご尽力によりハイブリッド開催され、久しぶりに対面で議論を行い、また旧交を温めることができました。今年(2023年)の第74回討論会は、9月12日から14日まで信州大学(長野市)にて酒井俊郎実行委員長、飯山拓討論会委員長のお世話のもと(原則)対面で行われます。また、続けて15日には、国際セッションが善光寺大勧進紫雲閣という魅力的な会場で開催されます。初秋の長野での討論会に是非多くの皆様の参加をお願い致します。

Covid-19の流行が終息に向かいつつある現在でも、なおも企業においてはリモートワークが定着しており、また日々の会議や打ち合わせの多くは尚もオンラインで行われています。すなわち、コロナウィルスの流行を契機に新しいシステムや価値観への切り替えが加速され、「ポストコロナ」時代においてもそれが新しいスタンダードとして定着されていくことになります。本部会においても、出口前部会長が2年前に執筆された巻頭言[1]において既に指摘されているように、withコロナ(これからはポストコロナ)時代のニューノーマルを構築し、運営に活かしていくことが重要となります。

さらに、昨今の人口減と景気低迷とも関連して、国内の各学協会では会員数の減少が問題となっており、結果として学協会運営の見直しが求められています。幸いにも、コロイドおよび界面化学部会は、部会員数約1,000名でほぼ横ばいで推移しており、また財政的にも、比較的堅調な運営がなされてきています。これは、毎年秋に実施される討論会や、部会内の事業企画委員会や企業委員会により実施される各種事業の「コンテンツ」が魅力あるものであるからであり、それにより新しい研究者・技術者に部会員になっていただいてきたからに他なりません。事業企画委員会(実行委員長:蟹江澄志先生)を中心に実施される各種事業、例えばフレッシュマンのために実施される「界面コロイドラーニング」、「キャリ探セッション」や先端的な話題を取り上げる「コロイド・界面技術シンポジウム」などの企画、また、企業委員会(委員長:西川正一郎先生)を中心に企画され、企業の若手研究者の交流を図ることを目的とした「コロイド・界面技術者フォーラム」、また若手WGグループ(委員長:村上良先生)を中心に討論会期間中に企画される「未来のコロイドおよび界面化学を創る若手討論会」などの魅力あるコンテンツが、今後もポストコロナ時代に適した形式で実施されますので是非ご参加ください。

さらに、ポストコロナにおいては、これらの魅力あるコンテンツの発信方法も重要になってきます。対面でのヒトとヒトとの交流を原則としながらも、適宜ハイブリッドやオンラインでのコンテンツ提供も導入しながら、部会員が参加しやすい企画の立案を進められればと思います。広報委員会(委員長:武仲能子先生)を中心に、各種企画の周知や部会のアピールを、部会内外に行っていただけることと思います。

そして、Colloid & Interface Communication (C & I Commun.) 誌は、2023年1号(前号)から、J Stageにおいても掲載されるようになり、電子媒体での提供が開始されました。しばらくは冊子体とのハイブリッド刊行となりますが、電子化に尽力された並河英紀前編集委員長、田中佳祐現編集委員長をはじめとする編集委員会の皆様のご尽力に深謝致します。

昨今、科学技術分野での世界における日本の研究力、発信力の低下がマスコミなどでもしばしば取り上げられています。しかし、多少古い情報とはなりますが、毎日新聞によれば[2]、コロイド・界面(表面)科学は日本が未だ世界の先頭をたって先導している数少ない分野の1つであると位置付けられています。このようなコロイド・界面化学分野における日本のプレゼンスは、出口茂先生が実行委員長を務められた「Okinawa Colloids 2019」においてもアピールされました。世界各国から1,000名余の参加者が万国津梁館に集い、国境の垣根を超えた盛り上がりとなり、5年後の再会を楽しみにされている方も多いとうかがっています。今後も、国際交流委員会(委員長:藤井秀司先生)を中心に、討論会での国際セッションなどを通して継続的に国際交流を推進していだけるものと思います。今後、我が国のコロイド・界面化学の研究分野が引き続き高い国際競争力を保持するとともに、とかく応用指向の高い研究分野とされ、アカデミアでの取り扱いが軽くなりがちな国内でのコロイド・界面化学分野のステータスの向上につながるようにできればと願っております。

本部会の部会員、特に理事の方の女性比率は今なお低く、外国籍の方の理事もほとんどいらっしゃいません。本年度から、出口前部会長のリーダーシップにより、Diversion, Equity, Inclusion and Respect (DEIR)委員会が設立されました。DEIR委員会の取り組みについては、今後懸橋委員長からご紹介があると思います。さらに本部会では、関西支部(吉村倫一支部長)、九州支部(新留康郎支部長)、コロイド・分散凝集分科会(川崎英也主査)などが活発に活動されています。

以上、ポストコロナ時代における部会運営について、各委員会を紹介しながら述べさせていただきました。是非皆様にも部会の活動を知っていただき、今後のコロイド部会のさらなる活性化に向けてご意見・アイデアをいただくとともに、「皆が参加・交流したくなる」部会の雰囲気作りについてご協力を賜れればと考えております。

それでは、コロイドおよび界面化学部会討論会や他の部会行事において多くの皆様にお会いでき、議論できることを楽しみにしております。

[1] 出口茂、With コロナ時代のニューノーマルに向けて、C & I Commun. 46, 2 (2021)。
[2] 毎日新聞、中国の科学論文シェア急上昇 米国と「2強」に 日本は急落、3位が2領域だけ:
<https://mainichi.jp/articles/20190505/k00/00m/040/238000c>、2019年5月6日。

2021-2022年度出口 茂

With コロナ時代の部会ニューノーマルに向けて

2021-2022年度部会長出口 茂((国研)海洋研究開発機構・生命理工学センター)

出口 茂

このたび 2021-2022 年度の部会長を拝命いたしました海洋研究開発機構の出口です。東京理科大学の酒井秀樹先生、ライオン㈱の安部裕様、日本メナード化粧品㈱の坂貞徳様という部会運営の経験豊かな 3 名の副部会長のお力を目一杯お借りして本部会のために尽力したいと思います。

コロイドおよび界面化学部会は発足から40年以上の長き伝統を有し、現在、会員数1000名ほどで活動しております。コロイド界面化学は一般的には物理化学分野に分類されますが、部会員の専門分野は物理化学だけでなく、高分子、触媒化学、電気化学、化学工学、物理系のソフトマターなど多岐に渡っています。このように当部会は分野横断型の学際領域の研究集団であり、まさに「学問間のインターフェース」を担える組織体です。従いまして、多くの皆さまの研究テーマと当部会との接点があると思いますので、部会への入会をご検討頂けましたら幸いです。

2019 年 11 月に部会の総力をあげて開催した国際会議「Okinawa Colloids 2019」は33 ヵ国から1021 名(うち海外から 248 名)の参加があり、予想を遥かに上回る大盛会となりました。2020年は沖縄での出会いが部会員の皆さんの新たな飛躍に繋がる1年となることを願っていたのですが、誰もが予期しえなかった新型 コロナウイルスの感染拡大によって思い描いていたの とは全く違った1年となってしまいました。新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々、および、ご家族、関係者の皆様に謹んでお悔やみ申し上げます。

普段の手洗いや消毒、フェイスシールドの曇り止め、mRNAワクチンのキャリアに使われている脂質ナノ粒子など[1]、コロイド界面化学も新型コロナウイルスとの戦いに様々な形で貢献しています。しかしながら 変異株の感染が拡大するなど今後の感染状況の推移は まだまだ予断を許しません。今年の1月、新型コロナウイルス研究に携わっている研究者100名を対象にNatureが行なった調査でも、回答者のほぼ 90 %が「コロナウイルスが今後何年にも渡って世界で流行を繰り返す」と考えていることが明らかになっています[2]。このような流れの中で部会としても「with コロナ時代」のニューノーマル(新たな日常)を模索する必要があります。

昨年1年間で「イベントのオンライン開催」が様々な学会のニューノーマルとして瞬く間に定着しました。部会でも東北大学での開催を予定していた「第71回コロイドおよび界面化学討論会」をオンライン開催へと切り替えました[3]。担当委員の先生方のご尽力によって「最新の研究成果を発表する機会を提供する」という討論会の最重要機能をオンライン開催で果たせるようになったことは部会にとって大変大きな収穫でした。

開催側の負担が小さく参加へのハードルも低い「オンラインイベント」は、単なる「対面イベント」の代替手段ではなく学会イベントの新しいフォーマットだと認識されつつあります[4]。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いて「対面イベント」が再開された後でも、「オンラインイベント」を活用した斬新な企画 を打ち出して行くことが部会ニューノーマルの鍵を握っています。例えば Piero Baglioni 教授(University of Florence、2017 年度 Lectureship award 受賞者)を招いて討論会の中で開催したイブニングセミナーは、オンライン開催だからこそ実現できた企画でした。

「Okinawa Colloids 2019」のように「開催地の魅力」という必殺カードが使えないオンラインイベントの成功はひとえに「企画」にかかっています。多くの人を惹きつける魅力的な企画を立案するには、年齢、ジェンダー、研究分野などの部会の「多様性」の確保がこれまで以上に重要になってきます。そこで With コロナ時代の部会をより活気に溢れた魅力ある組織とするため、新執行部発足のタイミングで若手や異分野の大勢の先生方に部会委員に就任していただきました。これからの 2 年間、部会員の皆さんとともに色々なアイデアに果敢に挑戦し、成功や失敗を繰り返しながら部会ニューノーマルを模索していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

1. Let’s talk about lipid nanoparticles. Nat. Rev. Mater. 6, 99 (2021)<https://doi.org/10.1038/s41578-021-00281-4>.
2. Phillips, N. The coronavirus is here to stay – here’s what that means. Nature 590, 382-384 (2021)<https://doi. org/10.1038/d41586-021-00396-2>.
3. コロナ禍を受けての部会活動:現状報告と今後の展望. C & I Commun. 45, 2-16 (2020).
4. Scientists want virtual meetings to stay after the COVID pandemic <https://doi.org/10.1038/d41586-021-00513-1>.

2019-2020年度河合 武司

コロイド界面化学の将来

2019-2020年度部会長河合 武司(東京理科大学工学部)

河合 武司

この度、2019-2020年度の部会長を仰せつかりました。このような大役を務める能力は持ち合わせていませんが、3名の副部会長とともにチーム力で運営して行きたいと存じます。3名の副部会長の先生方は非常にバランスが良く、財務関係に強く、細かな気配りと根回しに長けたライオン(株)の安部裕様、学会運営の経験が豊富でどの委員会も完璧にこなされる東京理科大学の酒井秀樹先生、それと個性あふれるカリスマリーダータイプで、中堅・若手をぐいぐいと引っ張る行動力抜群な海洋研究開発機構の出口茂先生です。今後ますます本部会の活性化が重要な課題となりますので、皆様方のご支援を頂きながら、微力ではありますが本部会の発展のために尽力したいと存じます。

コロイドおよび界面化学部会は発足から40年以上の長き伝統を有し、現在、会員数1000名ほどで活動しております。コロイド界面化学は一般的には物理化学分野に分類されますが、部会員の専門分野は物理化学だけでなく、高分子、触媒化学、電気化学、化学工学、物理系のソフトマターなど多岐に渡っています。このように当部会は分野横断型の学際領域の研究集団であり、まさに「学問間のインターフェース」を担える組織体です。従いまして、多くの皆さまの研究テーマと当部会との接点があると思いますので、部会への入会をご検討頂けましたら幸いです。

当部会は様々な委員会を中心にして活動していますが、各委員会は大学・公的機関の研究者と企業の研究者とのバランスを取りながら組織しています。ここでは、当部会の特長の一つである「企業委員会」と「事業企画委員会」の活躍についてご紹介します。企業委員会ではコロイド界面の最新動向を学ぶ「コロイド・界面技術フォーラム」を企画しています。1泊2日の日程ですので、最新動向の理解を深めるだけでなく、講師の先生や参加者同士の親睦を深めることもできます。さらに、小学生高学年を対象とした「本物の理科体験学習−コロイド−」をコロイドおよび界面化学討論会の開催地で行っています。開催地は毎年違いますので準備が大変ですが、企業委員会委員のボランティア精神のおかげで「コロイド界面化学の普及活動」が継続できています。事業企画委員会(委員:50名以上)でも多くの企業の方に加わって頂き、「コロイド先端技術講座」や産業界向けの「コロイド・界面技術シンポジウム」などの多くのセミナーを企画して頂いています。さらに企業の若手社員を主な対象としたコロイド化学の基礎講座「界面コロイドラーニング」を東京と大阪の2会場で開催しています。

若手研究者の育成・活性化のためにいくつかの取り組みを積極的に行っています。例えば、若手ワーキンググループ(WG)では、「未来のコロイド界面化学を創る若手討論会」を開催し、最新研究の徹底討論を通じて視野を広めたり異分野間の人的交流を図っています。またWGが中心となって討論会における「若手口頭講演賞」の表彰も行っています。さらに会誌Colloid & Interface Communicationを年4回発行しておりますが、その中に「Interface」として最新研究の紹介記事があります。若手口頭講演賞の受賞内容を含めて記事の多くは若手研究者の研究紹介で、若手研究者のアピールの「場」を提供しています。

当部会では企業研究者や若手研究者の皆様が活躍できる「場」をいくつか設けております。またコロイドおよび界面化学分野で新しい科学・技術を作った、または作りつつある若手の研究者・技術者を称えるために科学奨励賞および技術奨励賞を設けておりますので、是非、当部会へ入会していろいろな「場」を有効に活用していただき、インターフェース領域の研究発展にご協力下さい。

2年間の重点課題としては2019年11月上旬に開催される第70回記念国際会議「Okinawa Colloids 2019」を成功裏に終わらせることです。実行委員長の出口先生を中心にプログラム編成や会場などの準備が着実に進められています。出口委員長の思いとしては「これから部会を支える中堅・若手と海外研究者(同世代)との交流強化」を主題の一つとされていますので、是非、最新の研究成果の発表を通して海外研究者との親睦を”沖縄”で深めて頂きたいと思います。また、本部会として最も重要な行事である討論会の登録システムの改良も重要な課題で、システムを刷新して討論会の実行委員会の負担減を図りたいと考えています。なお、2020年度の討論会は東北大学の蟹江澄志先生を実行委員長として9月14~16日(東北大学)で開催されますので、ご予定の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

現在、表面・界面の重要性を多分野の研究者も認識しつつある状況で、様々な界面・表面の新現象を目の当たりにすることができる時代に突入したと思います。すなわち、本部会の活躍の場がますます広がりつつあります。最後に、Feynmanの言葉を借りて、”There’s plenty of room at the interface”で締めたいと思います。(2019.10)

2017-2018年度加納 博文

平成29年-30年度部会長加納 博文(千葉大学大学院理学研究院)

加納 博文

この度、平成29-30年度の日本化学会コロイドおよび界面化学部会長を拝命しました。加藤直先生の後任として私のようなものがこの大役を務めることができるのかいささか不安ではありますが、とにかくやるしかないという気持ちでおります。幸いなことに、河合武司先生(東京理科大学)、福田啓一氏(花王(株))および安部裕氏(ライオン(株))といった3人の経験豊富な方々に副部会長としてサポートしていただけます。また、役員、各種委員および支部の委員の方々と、部会員の皆様のご協力とご支援をいただきながら、部会の発展のために努力するつもりでおりますので、よろしくお願いします。

コロイドおよび界面化学部会は1976年に日本化学会の2番目の部会として発足し、今日まで発展を遂げてきました。私は1983年から3年間、学部4年と修士課程を名古屋大学理学部化学科の池田勝一先生の研究室で学生生活を送りました。当時助教授でおられた前田悠先生(九州大学名誉教授)の指導の下、構造転移を示す水溶性ポリペプチドの物性やβ構造リッチのタンパク質の物性についての研究を行いました。コロイドおよび界面化学討論会(以下、討論会)には修士1年生の1984年に、岩手大学で開催された第37回討論会に初めて参加し、とても思い出深いものとして記憶に残っていますが、その後、四国高松にある工業技術院の研究所に就職して界面化学分野の研究でしたが、討論会への参加は遠のいておりました。しかし、1990年に香川大学で第43回の討論会が行われるということで、現地実行委員の一人として討論会に参加いたしました。2001年に千葉大学に来てからは毎年討論会に参加し、2010年には実行委員長の金子克美先生の下、幕張新都心で開催されました部会35周年記念国際会議NCSS2010でLocal Committee のChairとして会議を主催いたしました。

その後も討論会は大きな規模で開催されてきております。前任の加藤直先生のあいさつ文にありましたように、本部会発足当初は討論会の企画実施が中心だったのですが、1979年に若手の会が発足し、1985年に「現代コロイド・界面化学基礎講座」が開始され、各支部が結成され事業が拡大し、現在部会には事業企画委員会、編集委員会、企業委員会、討論会委員会、財務委員会、広報委員会、賞選考委員会、国際交流委員会、将来構想委員会、若手ワーキンググループ、ディビジョン小委員会の11の委員会と関西支部と九州支部があり、それぞれ活発な活動を行っています。新入社員向けの基礎講座としては、毎年5月から6月にかけ東京と大阪においてコロイドラーニングを開催しています。またかつての若手の会に相当するものとして、2007年に若手ワーキンググループが発足し、2013年からは学生と、大学と企業の若手研究者を対象とした合宿セミナー「未来のコロイドおよび界面化学を創る若手討論会」を討論会の前後の日程に行ってきております。また学生対象として2011年から始まったキャリア探究哲学は、現在では討論会の初日の夕方に「キャリ探セッション」として開催されています。

部会最大の行事である討論会ですが、2017年度は水畑穣実行委員長の下、神戸大学での開催が予定されております。日本化学会の一部会の研究発表会といえども、多くのセッションがあり、魅力あるシンポジウムも企画され参加者も多く、以前にもまして活気ある発表会となっていることは、皆さんもご存知の通りかと思います。また、事業企画委員会が企画開催する様々なイベントは大変好評であり、Colloid & Interface Communicationという充実した広報誌があり、他にも多くの委員会活動が活発に行われ、部会員数も減少することなく、さらに発展している部会と認識しております。しかしながら、本体の日本化学会の財政状況が芳しくなく、日本化学会から厳しい経費節減の申し出があり、本部会もそれに対応するための措置を考え実行しなくてはなりません。

こういった厳しい状況での船出となりましたが、各委員会や支部の委員の皆様方をはじめ、部会員の皆様のご協力を得ながら、この厳しい状況を乗り切り、部会が発展していくように進めたいと思いますので、ぜひともご協力ください。どうぞよろしくお願いいたします。(2017. 3. 1)

2015-2016年度加藤 直

平成27年-28年度部会長加藤 直(首都大学東京大学院理工学研究科)

加藤 直

平成27年度の日本化学会コロイドおよび界面化学部会長を拝命いたしました。まだ心の準備ができておらず、伝統ある部会の責任者になったことの重みを日ごとに感じ始めている次第です。幸い3名の副部会長はいずれも経験豊富な方々で、心強いことこの上ありません。これらの方々を始めとする役員、各種委員、および支部の方々と、部会員の皆様のご協力を得ながら部会の発展に尽力いたしますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

昨年の部会ニュースレター(C & I Com. Vol. 39(3))に北原文雄先生が詳細に書かれているように、コロイドおよび界面化学部会は1976年に日本化学会の2番目の部会として発足しました。1976年は私が大学院修士課程に進学した年ですが、当時は分子分光学の研究室にいたため参加する学会は主として分子構造総合討論会であり、このような部会の存在すら知りませんでした。しかし、同じ1976年に定年退職された故佐々木恒孝先生の、演示実験を交えた魅力的な膠質化学の授業は、何度か聴講させていただいたこともあり、この分野への興味は持っておりました。分子研で助手を4年間務めた後、佐々木研を引き継がれた清宮先生に1984年に助手として採用していただき、その年に岩手大で開催された第37回コロイドおよび界面化学討論会に参加させていただきました。1989年から部会の事業企画委員会に加えていただき、2000年、2001年には基礎講座を担当いたしました。ある講師の先生の御母堂が講演の直前に亡くなられたため、急遽別の著名な先生に無理を承知でお願いしたところ快くお引き受けいただき、感謝感激したことは今でも忘れられません。2003〜2009年の6〜7年間は、学内外の業務が急増したため、部会運営から遠ざかってしまいました。この間の出来事の中には現在の運営に関係することもあり、その都度周囲の方々に状況を聞いて助けていただいている次第です。

部会発足の話に戻ると、当初はコロイド討論会の企画実施が中心だったものの、1979年に若手の会、1985年に「現代・コロイド界面化学基礎講座」が発足し、各地方支部も結成されて事業が拡大されていったとのことです。現在部会には、事業企画委員会、編集委員会、企業委員会、討論会委員会、財務委員会、広報委員会、賞選考委員会、国際交流委員会、若手ワーキンググループ、将来構想委員会、ディビジョン小委員会の11の委員会と、地方支部(関西・九州)があり、それぞれ活発な活動を行っています。先の「現代・コロイド界面化学基礎講座」は、「界面コロイドラーニング」として、東京と大阪でそれぞれ5月と6月に開催しており、昨年は第30回ということで、過去の講師の先生方をお招きして記念祝賀会を行いました。またかつての若手の会に相当するものとして、2007年に若手WGが発足し、2013年からは、学生と大学や企業の若手研究者を象とした合宿セミナー「未来のコロイドおよび界面化学を創る若手討論会」を、討論会最終日の夕方から翌日に行ってきました(今年は討論会の前々日〜前日)。若手対象の事業として、事業企画委員会の企画により2011年から始まった「キャリア探究哲学」は、学生を対象として討論会初日の夕方に開催さています。部会最大の行事であるコロイドおよび界面化学討論会は、今年で第66回を迎え、蔵脇淳一先生を委員長とする実行委員会により、鹿児島大学で開催されます。鹿児島での開催は1977年以来ですので、38年ぶりとなります。若手WGの提案により、従来のポスター賞に加えて、今回から「若手口頭講演賞」を設けることになりました。

事業企画委員会では、上記の企画と1月末に開催される技術シンポジウムに加え、秋に数回の先端技術講座・実用技術講座を企画しています。毎年新しい企画が生まれ、いずれも好評を博しています。編集委員会と広報委員会では、年4回のC & I Communnの発行と、「化学と工業」誌の「部会だより」「Divison Topics」の執筆者選定を行っています。企業委員会では、毎年7月の宿泊セミナー「コロイド・界面技術者フォーラム」とコロイド討論会前日の市民講座を開催しており、また10月のCSJ化学フェスタへの企画協力も行っています。討論会委員会は、来年以降のコロイド討論会の開催地選定、日本化学会春季年会におけるコロイド・界面化学セッションのプログラム編成(東京地区開催の場合)およびアジア国際シンポジウムの開催(数年に1回)を行っています。さらに関西支部と九州支部では、それぞれの地区で(講師は全国規模)独自のセミナーや講座を開催しています。これらの他、今年は事業企画委員会、企業委員会、討論会委員会、国際交流委員会の連携により、7月に中華民國界面化學學会と日台コロイド会議の開催を予定しています。また11月には、約2年おきに日本とオーストラリアで交互に開催されてきたジョイントミーティング(日豪シンポジウム)が、Western Pacific Colloids Meeting としてカンボジアで開催されます。

前々部会長の尾関先生は、25年1月の役員会において、「H26年度以降の組織および人事のあり方について」と題して新しい役員選出方法を提案されました。これに前部会長の荒殿先生が若干の修正を加えられ、26年度からは役員選出のための実施体制を整備されました。詳細は省略しますが、役員会により選出された次期役員候補者を部会員に示し、一般の部会員からも役員候補の推薦を募るという方法です。27年1月の役員会において、部会員からの推薦候補2名を含む新役員が決定され、その後副部会長および部会長が投票により選出されました。現在では、メールや文書等による投票で会長選挙を行っている学会は珍しくありませんが、部会では初めての試みであり、尾関先生と荒殿先生のご尽力の賜物です。ただし私に限って言えば、2年前の役員会で副部会長として指名いただいたときと同様心の準備ができておらず、周囲の方々にもご迷惑をおかけしております。荒殿先生が部会長になられたときに、副部会長を2名から3名とし、11の委員会を3名で分担して掌握する体制を作られましたので、継承させていただいています。

尾関先生が提案された文書には、提案の趣旨と目的が記されています。目的は、「情熱を持って部会の発展に貢献できる役員を発掘し、育て、機能する組織をつくる。そのための組織と人事のあり方を提案すること。」とあります。私は別として、副部会長を始めとする役員や委員の方々は、いずれもこの目的にふさわしい方々ですので、どうか皆様のご協力をお願い申し上げます。