公益社団法人日本化学会 : コロイドおよび界面化学部会

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令和2年度科学奨励賞および技術奨励賞受賞者の決定 2020.06.16

日本化学会コロイドおよび界面化学部会の令和2年度部会奨励賞(科学奨励賞,技術奨励賞)の選考委員会が,令和2年1月22日に化学会館にて開催され,推薦された候補者について賞選考委員会において慎重に審査を行った結果,下記の方々が出席委員全員の合意で選出されました。また同日行われた部会役員会において,受賞者として承認されましたのでここに報告させていただきます。

令和2年度 科学奨励賞受賞者

日下靖之 先生 産業技術総合研究所

令和2年度 技術奨励賞受賞者

(受賞者なし)

選考理由

日下靖之先生は、筑波大学・足立泰久教授の研究室にてJSPS特別研究員(DC2)として土壌・水環境中のコロイドの凝集・輸送現象により学位を取得された後、2011年度から産業技術総合研究所に勤務されています(2017 年 10 月より主任研究員)。これまで印刷エレクトロニクス、微粒子分散・薄膜形成・接触力学などの分野で研究を推進されていますが、特に2012年度から取り組まれている印刷エレクトロニクスに関する研究では、微細積層印刷による電子デバイス作製技術を中心に顕著な業績をあげられています。

従来の印刷技術では、主に液状のインクやペーストを用いてパターニングがされてきたのに対して、日下先生は、インク薄膜を半乾燥固化させてからパターニングを施すことで、濡れに支配される領域から、膜の付着・変形・破断によるパターン形成原理へとシフトし、簡便かつ解像性が飛躍的に高い印刷技術を実現しており、産業界からも高く評価されています。

同氏の業績は,原著論文45報、著書6冊、総説5報、特許33件に結実しており、また、招待講演が22件、また各学協会からの受賞が9件あり、これは氏の業績が極めて高く評価されている証左であります。さらに、コロイドおよび界面化学部会においても、事業企画委員、また筑波大学での第69回討論会での事務局を担当するなど大きな貢献をされています。

以上のように、日下靖之博士の業績・活躍は卓越したものであり、科学奨励賞を受賞者としてふさわしいと判断されました。

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