公益社団法人日本化学会 : コロイドおよび界面化学部会

  1. English
  2. 入会案内

平成30年度Lectureship Award受賞者の決定 2018.06.12

平成30年1月26日(金)に化学会館にて行われた賞選考委員会を経て、同日行われた部会役員会にて、下記の方々が平成30年度Lectureship Awardの受賞者として承認されましたので、ご報告致します。

第19回 Lectureship Award 受賞者

  • Nicholas L. Abbott 教授(University of Wisconsin-Madison, USA)
  • Patrice Simon 教授(Universite Paul Sabatier, France)

選考理由

LAは、「当該分野で著しい活躍をされておられる、あるいは将来この分野での活躍が期待できる著名な研究者」に対する国際賞です。

Abbott教授は、コロイド・界面化学分野を牽引する著名な研究者で、AIChE Stine AwardやACS Award in Colloid and Surface Chemistryなどの賞を授与されるとともに、AAASフェローおよび全米技術アカデミー会員にも選出されています。また、LangmuirやChemistry of Materialsなどの編集委員も務められています。顕著な業績としては、液晶の配向を界面現象の観察と制御に利用する基本原理と基盤技術を確立され、液晶の配向変化を利用した生体分子の検出や液晶配向に指向されるコロイド粒子の集合現象などを世界で初めて明らかにされたことが挙げられます。また刺激応答性の両親媒性化合物を用いたコロイド系の制御でも顕著な業績を残されています。これらの成果はScience 誌に7報、Nature誌に2報の掲載を含む350報以上の論文として発表されています。さらに、世界中から同氏を訪れる若手研究者の育成にも長年ご尽力されています。

Simon教授電気化学分野の中で、特に電極ナノ空間・界面現象の解明で世界的に高い評価を受けており、French National Research OrganizationからSilver medal、RUSANONPRIZEからNanotechnology International prize、International Society of ElectrochemistryからTajima Awardなどの賞を授与されるとともに、ALISTORE(欧州のリチウム電池開発の組織)のDirectorやRS2E(フランスの蓄電デバイス研究の組織)のAssociate Directorにも選出されています。顕著な業績としては、電気二重層キャパシタの基礎および応用に関する研究で、Science誌(2006)とNature Materials誌(2015)に掲載された論文は非常に高い被引用数となっています。さらに、International Erasmus Mundus Master Program(学生の支援プログラム)において各国から集まった学生の指導を通して若手研究者の育成にもご尽力されています。

Abbott教授、Simon教授の以上の業績は、世界的に高く評価できるもので、LA受賞者候補者として選出されました。

先頭に戻る