公益社団法人日本化学会 : コロイドおよび界面化学部会

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コロイド先端技術講座2025:コロイド・界面化学が繋ぐエナジーハーベスティング 2025.09.25

コロイド先端技術講座2025:コロイド・界面化学が繋ぐエナジーハーベスティング

 

主催:日本化学会 コロイドおよび界面化学部会

協賛・後援(予定、順不同):高分子学会、応用物理学会、電気化学会、化学工学会、日本レオロジー学会、日本生物工学会、日本熱測定学会、日本農芸化学会、日本膜学会、日本油化学会、粉体工学会、日本物理学会、日本生物物理学会、日本接着学会、日本トライボロジー学会、日本分析化学会、繊維学会、ナノ学会、有機エレクトロニクス材料研究会、日本表面真空学会、色材協会、日本液晶学会、日本ゾル–ゲル学会、日本金属学会、光化学協会

 

日程:2025年12月5日(金)9:55~17:25

会場:同志社大学東京サテライト・キャンパス(東京都中央区京橋2丁目7番19号京橋イーストビル3階)

開催方式:現地対面のみ

 

開催概要:太陽光、振動、熱など、外部刺激から効率的に電気・エネルギーを獲得・変換し、さらには獲得したエネルギーを効果的に蓄え利用するために、コロイド・界面化学技術・材料は重要な役割を担っています。本講座では、エナジーハーベスティングとコロイド・界面化学との繋がりに焦点を当て、コロイド・界面化学が如何にしてエネルギー変換システムに関わり、高効率化に寄与しているのかなど、最新の研究成果を紹介します。この講座を通じて、コロイド・界面化学技術の未来エネルギーへの可能性を議論します。

 

9:30 開場

9:55-10:00 趣旨説明 中西 尚志(物質・材料研究機構 MANA)

10:00-11:00 【基調講演】

「どこでも電源の実現へ:ペロブスカイト太陽電池の界面材料が拓く未来」

若宮 淳志 先生(京都大学 化学研究所)

 ペロブスカイト太陽電池は、材料の溶液を塗って作製でき、軽量でフレキシブルな形状をもつ次世代太陽電池として注目を集めている。我々は、材料化学の視点から、ペロブスカイト半導体の塗布成膜法や、表面パッシベーション法の開発、効率的な電荷取り出しを可能にする新材料の開発など、本太陽電池の開発研究に取り組み、ペロブスカイト太陽電池の高性能化に貢献してきた。2018年には、これまでの研究成果をもとに、京都大学発スタートアップとして、(株)エネコートテクノロジーズを設立し、「どこでも電源®」として本太陽電池の実用化にも取り組んでいる。本講演では、ペロブスカイト太陽電池の界面材料設計の考え方を中心に、最新の成果を含めて我々の開発研究を紹介する。

11:05-11:55 「有機無機界面制御による次世代光エネルギー変換システムの創製」

石井 あゆみ 先生(早稲田大学 先進理工学部化学・生命化学科)

 光は粒子性と波動性を併せ持ち、光子数(強度・時間)、波長(エネルギー)に加えて、偏光(位相・角運動量)や量子相関といった多様な「情報(物理量)」を含んでいる。本研究では、無機ナノ結晶と有機分子を界面で化学的に融合した特異な構造を利用し、微弱光や近赤外光、偏光などの検出・操作を可能とする新しい物質系と光電子デバイスの開発を進めている。本講演では、微弱な近赤外光を可視光へ変換するアップコンバージョン発光、量子切断による高効率近赤外発光、一次元らせん構造を用いた円偏光検出など、特異な光機能を示すハイブリッド材料と次世代光エネルギー変換技術を紹介する。

昼食休憩

 

13:00-13:50 「電気二重層エレクトレットを利用した振動発電素子の開発」

小野 新平 先生(東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センター)

 本研究では、電解質に電圧を印加して形成される電気二重層を固定化し、エレクトレット(永久電荷)として利用することで、外部振動に応答して電力を取り出す新しい発電素子を開発した。得られたエレクトレットは高い電荷保持性を示し、微小な振動からも効率的に電力を生成することができる。本講演では、その作製プロセス、発電特性の評価、さらにセンサーや低消費電力エレクトロニクスへの応用展開について紹介する。

13:50-14:40 「環境の湿度変化で発電する湿度変動電池」

駒崎 友亮 先生(産業技術総合研究所 センシング技術研究部門)

 空気中の水蒸気は湿度に応じた化学ポテンシャルを持ち、物体への吸放湿に伴ってそのギブスエネルギーを解放させる。我々は、潮解性物質の吸湿平衡と濃淡電池の原理を組み合わせることで、この過程から電力を取り出す湿度変動電池の研究開発を行ってきた。講演では、湿度変動電池の原理や応用などに加えて、吸放湿時の界面を通した水分子の移動に焦点を当てて、今後のさらなる性能向上への展望に関して解説する。

 

休憩(10分)

 

14:50-15:40 「エネルギー変換を支える硫化物固体電解質:組成・形態と電気化学特性の関係」

三好 理子 先生(東レリサーチセンター)

 次世代電池として期待される全固体電池では、イオン輸送を担う固体電解質が重要な役割を果たします。中でも硫化物系固体電解質は、加工の容易さと高い導電性から注目されていますが、充放電の繰り返しによる劣化が性能低下を招くことが知られている。本講演では、硫化物電解質の組成や形態と電気化学特性の関係を解析し、劣化に伴う構造的・組成的変化を明らかにした成果を報告する。さらに、固体電解質の基本的な仕組みから劣化の要因、そして今後の材料設計に向けた展望を解説する。

15:40-16:30 「蓄熱システム:低温の廃熱を有効活用できる吸着材ハスクレイの開発」

谷野 正幸 先生(高砂熱学工業株式会社 研究開発本部技術研究所)

 まず、産業技術総合研究所で開発された吸着材ハスクレイの材料特性などを概説した上で、当社の吸着材蓄熱システム「メガストック®」の事業概要を紹介する。主に蓄熱システム開発の観点から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として実施した、石原産業四日市工場で定置型蓄熱槽での産業プロセスに対する実証試験の概要を説明して、日野自動車の羽村工場周辺で実施したオフライン熱輸送型での実証試験と実証結果を説明する。さらに、実証試験を受けて実導入された設備概要を紹介する。

16:35-17:25 「熱エネルギーを電力に代える:半導体増感型熱利用発電」

松下 祥子 先生(東京科学大学 物質理工学院、(株)elleThermo)

 半導体増感型熱利用発電(Semiconductor-sensitized thermal cell)は、半導体の熱励起電荷を利用して電解質イオンの酸化還元反応を駆動し、発電を行う新しいタイプの熱発電技術である。社会実装を目指す上では、研究室レベルで用いられる半導体ウェハから、実装環境に耐えうるマテリアルへの転換が求められてきた。本講演では、この変化の過程をコロイド・界面科学の視点から捉え、その課題と展望について紹介する。

 

参加費:部会員・講師紹介10,000円 日化・協賛・後援学会員15,000円 非会員20,000円 学生(部会員)3,000円 学生(非会員)5,000円

 

※参加費は全て税込価格となります。

※ご勤務先が法人部会員の場合は部会員、日本化学会法人会員の場合は日本化学会員、協賛学会法人会員の場合は協賛学会員扱いとなります。

 

申込方法

申し込みサイト:

https://app.payvent.net/embedded_forms/show/68ccebef0cd704269351648e

申込は当日まで受け付けますが、会場での現金授受を伴う受付は行いませんので、当日でも申し込みサイトからお申込み下さい(当日申込はカード決済でお願い致します。)。当日の円滑な運営のために、可能な限り12/1(月)までのお申し込みにご協力をよろしくお願いいたします。

 

お問合せ

日本化学会 コロイドおよび界面化学部会

E-mail: jigyoukikaku_02(at-mark)colloid.csj.jp

※「(at-mark)」は半角の「@」へ変更してください。

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