公益社団法人日本化学会 : コロイドおよび界面化学部会

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第8回分散凝集科学技術講座 分散・凝集のすべて 2021.10.23

-希薄系から濃厚系までのあらゆる分散・凝集現象に関わる研究者・技術者のための最新理論とテクニック-

主催:日本化学会 コロイドおよび界面化学部会

協賛:(申請中含む)応用物理学会、界面動電現象研究会、化学工学会、高分子学会、材料技術研究協会、色材協会、触媒学会、電気化学会、ナノ学会、日本化粧品技術者会、日本生物物理学会、日本セラミックス協会、日本分析化学会、日本油化学会、日本レオロジー学会、表面技術協会、粉体工学会

日時:2021年12月9日(木)、10日(金)
開催方法:オンライン(Zoom Webinar)
詳細はこちら

【趣旨】近年、ナノからミクロンオーダーの微粒子・液滴を含むコロイド分散体が日々開発されていますが、その一方で、分散性や分散安定性の評価、あるいは分散制御において、様々な課題が山積しつつあります。特に濃厚分散系の分散・凝集状態のハンドリングにおいては、その解析やトラブルシューティングが研究者・技術者にとって悩みの種となっています。近年では、関連業界も拡大し、化粧品・トイレタリー製品や食品、塗料等は勿論のこと、ファインケミカルや電池、有機EL等のエレクトロニクス関連分野においても、分散性制御と評価が必須のスキルとなってきています。このような状況下、現場の研究者・技術者の方々からは、「何処へ行けば必要な情報やノウハウを入手できるのか」という質問にお応えして、分散・凝集に関連する様々な分野と技術の講演を集めて本講座「分散・凝集のすべて」を企画しました。初学者の方からエキスパートの方まで様々な分野とレベルの皆様のために豪華講師陣をお招きしております。この分野の研究・技術開発等でお困りの皆様の御参加を、心よりお待ち申し上げます。

プログラム
12月9日(木) 【分散・凝集の基礎と考え方】
9:10-10:20 実用系における分散凝集制御の基礎理論と評価法-現状と課題-
武田コロイドテクノ・コンサルチィング㈱ 武田 真一 先生

実用系ではインクや塗料だけにとどまらず、様々な応用分野で分散凝集現象がキーテクノロジーとなっている。本講では、現状の実用系と基礎研究との関連を整理し、今後の課題について解説する。

10:30-11:50 【特別講演】DLVO理論の発展を振り返る-現状と課題-
東京理科大学 大島 広行 先生

疎液性粒子の分散・安定性に対するDLVO理論では、粒子分散系は準安定状態にあり、粒子の凝集は不可逆過程とみなされる。二つの粒子間のファンデルワールス引力と静電斥力をもとに分散系の安定性が評価される。ここで、ハマカー定数(凝集促進因子)とゼータ電位(分散促進因子)が本質的な役割を演じる。本講演では、DLVO理論の発展を振り返り、その現状と課題について解説する。

12:50-14:10 Hansen溶解度パラメータ(3次元、4次元)を用いた相溶性・微粒子分散性評価 -ファインケミカル、医薬品などへの分散・溶解性評価への応用-
関西大学 山本 秀樹 先生

Hansen溶解度パラメータ(HSP)は高分子-溶媒間、高分子-高分子間などの相溶性評価、ナノ粒子・微粒子の溶媒中での凝集・分散性評価などに広く用いられています。本講演では、微粒子・ナノ粒子表面のHSP値の測定手法であるHansen溶解球法の概説、浸透速度による測定法、3次元型・4次元型のHSP理論生体材料のHSPについても解説いたします。

14:20-15:10 粒子分散および表面処理の基本的な考え方とその具体例
福井技術士事務所 福井 寛 先生

産業界では粒子は水、油、エマルションまたは樹脂などの他成分と混合して利用する場合が多く、粒子分散は重要な技術となっている。また、あるがままの粒子では粒子表面で吸着や触媒反応などが起って混合系を劣化させるなどの悪影響を与える場合がある。このような場合には粒子を不活性化させ、望みの系に分散しやすい表面処理を行う。本講演では粒子にとって重要な粒子分散と表面処理の基本的な考え方と具体例について述べる。

15:20-16:30 実用濃厚スラリーでの分散設計 ~分散安定性とぬれの考え方
小林分散技研 小林 敏勝 先生

塗料やインクなどの濃厚な固体粒子分散系では、大きなハマカー定数、異種電荷粒子の共存、夾雑イオンの存在などの理由で、高分子吸着による分散安定化が重要である。このための高分子と粒子との親和性の考え方や評価方法、分散剤分子設計について概説する。また、低表面張力粒子の水性系での分散では、水性媒体に対するぬれの確保が重要であり、このための着眼点を示す。

12月10日(金) AM 【分散凝集の評価】
9:00-10:00 動的光散乱がわかりませんーその疑問、当然ですー
産業技術総合研究所 高橋 かより 先生

動的光散乱(DLS)は微粒子の粒子径を求める方法として浸透しているが、その中身はほとんどブラック・ボックス。何を測っているのか、なんでこんなに結果が変わるのか・・・。これらは、誰もが通る道。ちょっとの工夫で、明日からの測定が変わります。

10:10-11:10 二次電池、燃料電池の電極スラリーのレオロジー ~分散・凝集がレオロジーに及ぼす影響~
(株)豊田中央研究所 中村 浩 先生

リチウムイオン二次電池の電極スラリーや燃料電池の触媒インクなどの高濃度な粒子分散系(スラリー)は擬塑性流動(Shear-thinning)やダイラタンシー流動(Shear-thickening)などの特徴的な非ニュートン流動を示し、これらの挙動がプロセスにおける生産性や品質に大きな影響を及ぼす。単分散粒子を用いた高濃度粒子分散系のレオロジー挙動解析から、その支配機構について説明するとともに、実際の高濃度スラリーにおける特徴的な挙動についても触れる。

11:20-12:20 両親媒性高分子および分子集合体の水和と相互作用 -材料・処方設計による凝集制御-
信州大学 佐藤 高彰 先生

溶液化学が溶液の微視的な側面を探求するのに対し、コロイド界面化学やソフトマター物理学は溶媒を粗視化してソフトな系のメゾスコピック挙動を記述することに優れていると言えるだろう。本講演では、小角・広角散乱法と誘電分光法の分析手法を組み合わせ、「水和水のダイナミクスや界面での対イオン揺らぎ」といった溶液の微視的物性と「ミセル間・膜間相互作用、さらには相挙動」との接点について、最近の応用事例を紹介する。

12月10日(金) PM 【分散凝集の応用】
13:30-14:30 ビーズミルの原理および処理実績例 -条件調整のノウハウについてー
アイメックス(株) 五十嵐 章裕 先生

ビーズミルは優れた微粒子化性能を持つものの、処理条件によってスラリー性状が大きく異なることも珍しくない。ここでは、良好な分散スラリーを得るために注意すべき点や、分散事例、評価事例等を紹介する。

14:40-15:40 化粧品用微粒子粉体の分散性を定量的に評価するためには?
(株)資生堂  那須 昭夫 先生

粉体の油剤中への分散性の評価は、経験的・定性的なものが多い。特に化粧品用の紫外線散乱剤などの微粒子は、顕微鏡による観察すらもできない。そこで本セミナーでは、化粧品用微粒子の油剤への分散性を定量的に明らかにする手法について解説する。さらに、制御された微粒子分散系がもたらした新たな化粧品製剤に関する応用事例についても述べる。

15:50-16:50 金属微粒子・ナノ粒子のインク・ペーストへの分散手法
北海道大学 米澤 徹 先生

講演者の経験が多い銅微粒子・ナノ粒子の合成法の詳細とを用いた低温焼結・高温焼結のためのペースト・インク化について研究室レベルの小規模のものから中規模サイズまでの手法についてこれまでの研究結果を述べるとともに皆さんと議論したい。

17:00-18:00 化粧品の乳化概論と技術動向
千葉科学大学 山下 裕司 先生

乳化物の不安定性は界面の不安定性に帰結され、安定化を図るために乳化剤や高分子、粉体などが利用される。本講演では、化粧品における最近の乳化技術動向を概説し、界面活性剤系の特異な自己組織体である“αゲル”を用いた乳化とその特徴を紹介する。

【参加費】

部会員30,000 円、日本化学会会員35,000 円、協賛学会員35,000円、
 非会員40,000 円、学生(部会員) 8,000 円、学生(非会員) 10,000 円
 ※ご勤務先が法人部会員の場合は部会員、日本化学会法人会員の場合は日本化学会会員、
  協賛学会法人会員の場合は協賛学会員扱いとなります。
 ※協賛学会はウェブサイト、下記申込みフォームよりご確認下さい。

【お申込方法】

参加ご希望の方は、申込みフォームよりお申込み下さい。
 これら収納を創文印刷工業㈱に委託しており、受付システムはPeatixを利用しております。
 URL: https://csjcolloid202112.peatix.com

【参加費のお支払い】

Peatixによる決済方法(クレジットカード、コンビニ決済等)をお使い下さい。
 Peatixでのお支払い方法をご利用になれない場合等は、問合せ窓口へメールでご連絡下さい。
 要旨集の事前送付受付に期限(11/30)がありますので、お早めにお申し込みください。

【お問い合わせ】

日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
 E-mail jigyoukikaku_03@colloid.csj.jp

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